Treatment鍼灸治療

hugの鍼灸治療は「自然治癒力」を最大限引き出し症状を改善
hugの鍼灸治療は、経絡治療と呼ばれる漢方の古典理論に立脚した鍼灸治療法を使用しているので病名にはこだわらず、様々な症状に適宜対応して治療できます。
また、経絡治療には副作用がほぼ無く、使用している鍼もディスポーザブルの一番細い太さ(0.12mm)の鍼や鍉鍼(ていしん)と呼ばれる皮膚に刺さない鍼を使用しているため痛みはほとんど無く、衛生的に治療を行うことができます。
また、漢方薬と同じ理論を用いながら症状を考察し、東洋医学の見方から身体の不調を整える治療を基本に行います。
患者さんの体質に焦点を絞り、患者さんの本来持っている「自然治癒力」を高める事により、症状を改善させる治療を行います。
“鍼灸院hug”では、治療による患者さんへの身体の負担を極力抑え、自然治癒力を最大限引き出すような治療を心掛けています。
その中でも特に、【女性のための】鍼灸治療に力を入れています。
産婦人科での臨床経験を活かした治療ができるため、安心して治療を受けていただけます。
hugの鍼灸治療は、施術者の経験・知識と古来より蓄積された漢方医学によって、本来得意とする【婦人科疾患】、【内科疾患】、【滋養強壮】に絶大な効果を発揮します。
鍼治療ってなに?
ツボの特殊な作用を利用して、身体全体の循環を良くする治療方法
鍼治療とは、漢方薬と同じ理論を用いながら患者さんの訴える症状を考察し、漢方的な治療を行います。
漢方的な治療とは、西洋医学の病名にこだわることなく、患者さんの訴える症状や、患者さんの体質に焦点を絞り、患者さんの本来持っている「自然治癒力」を高める事により、症状を改善させる治療です。
漢方薬と同じ理論ですので、漢方薬が処方される症状すべてに、鍼灸治療も適応されます。
気、血、津液を用いて心身の状態を把握
漢方医学では人の身体の基礎的構成は、気、血、津液(きけつしんえき)の3つの要素で構成されてると言われてます。
この気、血、津液は、心身の状態を把握するために使います。
特に、この3つの要素のバランスが重要とされ、いずれかが不足したり滞ったりすることで心身もバランスを崩し、体調や体質に大きく影響します。
-
「気持ち・気分・気力・意気込む・本気」など、日常の中でも「気」という言葉は多く使われています。
これらの言葉は生命活動を行うためのエネルギーとされています。
気によって血や津液の流れをサポートし、体温の維持や調整などを行っています。 -
一般的な血液とは少し違う意味を持ちます。身体全体に栄養や酸素を巡らせ、全身を潤します。
また、血が正常に巡ることによって精神状態も安定します。 -
身体を潤すきれいな水の総称であり、血液以外の「唾液・胃液・涙・汗・リンパ液・関節を潤す水」などが津液に当てはまります。津液が不足すると、のどの渇きや皮膚の乾燥へとつながり、排泄が滞って古い水液となることで痰・むくみなどの症状につながります。
尿などによって余計な水分を輩出してバランスを調整しています。
陰陽五行説や臓腑経絡説
気血津液と同じように漢方医学の基礎的な理論として陰陽五行説や臓腑経絡説があります。
臓腑とは、五臓六腑のはたらきを示す理論で、身体全体の経絡・経穴と深い関係があります。
経絡とは、気血が流れる通路のことをいい、人体の上下・内外をめぐり、五臓六腑と連絡しています。
そしてこの経絡上に経穴(ツボ)が点在しています。
五臓六腑に不調が起こるとその臓腑に関連した経絡の気血の流れが悪くなります。そうすると流れの悪くなった経絡上に痛み・しびれなどの症状が出てきてしまいます。
また、経絡上のツボにも硬くなる・へこむ・ざらつく等の様々な反応が現れたりします。そのため、鍼灸師はツボに現れた反応を見ることで五臓六腑のどこに不調が出たのかを見つけることが出来るのです。
体表面のツボと五臓六腑が経絡によってつながっているので、ツボに鍼や灸をするとその刺激が経絡を伝わって五臓六腑や目的の場所へと伝わり、調子を整えることができるのです。
つまり、ツボというのは体の好不調の反応が出る場所でもあり、治療点ともなる場所なのです。
鍼灸治療は、長い歴史の中で蓄積されてきた漢方医学独特の理論と全身に系統づけられた経穴(ツボ)の特殊な作用を利用して身体全体(内部・外部)の循環を良くする治療方法です。
実はお灸ってスゴイ
お灸について少し話したいと思います。
お灸って実はとってもスゴイって知ってましたか?
皆さんのイメージだとおばあちゃんやおじいちゃんが身体が痛いときや調子が悪い時などにお灸を使ってるイメージが多いと思います。
このお灸が何なのかって中々知らないですね。
まず、お灸の材料ですが、皆さんがよく知ってるヨモギから作られます。
春になると草団子や草餅として、または天ぷらなどでも美味しく食べられてるキク科の多年草です。
このヨモギの葉を陰干しし、臼でひき、ふるいにかけて葉の裏側の産毛を集めたものが、お灸になります。
お灸の歴史は古く、約3000年前に中国で発明され、その後、遣隋使や遣唐使によって日本にもたらされたとされる非常に歴史のある民間療法です。
そんな歴史あるお灸の働きと効果は?
-
血流をよくして冷えを改善する
お灸が最も得意とするのは冷えに関連する症状です。気血の通り道である経絡上にあるツボ(経穴)をもぐさの熱で刺激し、その温熱刺激で皮膚の温度受容器を通して交感神経を緩める作用があるとされています。お灸は、物理的な温熱と自律神経の調整の両者から血流に働くことから、冷え改善にとても有効なのです。
-
温めることでホルモンを活性化
女性ホルモンの急激な減少に伴って自律神経の働きが不安定になる、更年期の悩みや症状にもお灸は効果を発揮します。病院などで検査しても原因不明、治療法がない、という症状や病気を鍼やお灸で改善させた例はたくさんあります。鍼やお灸は、アレルギーや膠原病などの免疫疾患への臨床にも採用されています。
-
お灸のスゴイ効能
- 1、血流の回復で自己治癒力がアップ
- 2、自己ステロイドホルモンの活性化
- 3、遺伝子や消化器の疾患にも有効作用する
- 4、現代病と言われる精神科や季節的な疾患不調、セルフケアによる予防にも効果がある。
などさまざまな効果が期待できるのと、まだまだ未知の部分も多く、現代医学で治療困難な症状の改善にも多くの可能性を秘めています。

Oriental medicine東洋医学とは
陰陽五行論
「陰陽五行説」は、「陰陽論」と「五行説」の二つの説から成り立っています。
これは漢方の基本的な考え方で、これらを身体の機能に応用したものが「五臓」であり、身体そのものは「気・血・水」の三要素で構成されていると考えます。
「五臓」は私たちの身体を五つの「機能系」に分け、一つのつながりとしてみていく物差し的な考え方です。

陰陽論
自然界の全てのものを「陰」と「陽」の相反する二つの要素でとらえる考え方。相互に対立・依存しながら絶えず変化している関係のことです。
陽➡太陽、明、昼、動、暖、春夏
陰➡月、暗、夜、静、冷、秋冬 など
陰陽太極図(いんようたいきょくず)
「陰」と「陽」を示したシンボルマークが「陰陽太極図」です。
「陰」と「陽」の要素はお互いの過不足を補いながら、最適なバランスを保っています。
この二つのバランスは絶対的に定まったものではなく、その時々で流動的に変化します。特に体内の陰陽は常に自然の影響を受けて変化するため、体内外のコンディションを整え、バランスを保つことが大切です。

五行説
漢方の基本となる考え方に「五行説」があります。これは万物を木・火・土・金・水の5つの要素に分類し、それらの関係を説いた理論です。
この5つは、お互いに支配したりされたりして絶妙のバランスを保っています。その中でも代表的な関係が「相生(そうせい)」と「相克(そうこく)」です。
相性とは
相手を生み育てる母子関係で、五行では木→火→土→金→水という流れを持ちます。
木が燃えて火がおき、火からできる灰が土を肥やし、土から鉱物(金)が生まれ、鉱脈から水が湧き出て、その水は木を育てるという関係です。
相剋とは
相手を抑制する関係です。
それは、「相生」の流れにおいて一つ飛ばした木→土→水→火→金という順に関係しています。
木は土から養分を吸収し、土は土手として水の氾濫を抑え、水は火を消し、火は金を溶かし、金属でできた刃物は木を切り倒すという関係です。
働きの弱まったものは相生関係で励まし、強すぎるものは相剋関係でなだめてコントロールしています。
このように、強すぎることも弱すぎることもなく、他の4つも同様にして五行のバランスは保たれています。
五行説と五臓
この「五行説」を身体に応用したのが、「五臓」の考え方です。
「五臓」は「肝(かん)」「心(しん)」「脾(ひ)」「肺(はい)」「腎(じん)」という五つの機能系に分けられます。
そして「五臓」のそれぞれが、木 = 肝、火 = 心、土 = 脾、金 = 肺、水 = 腎という対応関係のうえに成り立っています。
このように五つの機能系は、「五行説(木・火・土・金・水)」と同じく、相手を助けたりコントロールしたりしながら、お互いのバランスを保っています。
「五臓」と聞くと、カラダの臓器を連想しがちですが、実は五臓はもっとスケールの大きいお話です。
簡単に言えば、カラダのあらゆる”機能“や”役割“また”臓腑“や”部位“をざっくり5つに分けた、という考え方です。中医学・鍼灸・漢方、すべてこれに基づいて診断・治療方針が決定されます。
特に鍼灸では、ツボを結ぶ経絡に五臓の名がつき、押すと痛いところ・触れて気持ちいい治療点の属する経絡から、病気の原因を探ります。

- 循環、代謝、発散、排泄、解毒などをコントロールする役割
- 感情をコントロールする役割
- 血液を貯蔵する役割
- 肝臓や胆嚢だけでなく、爪や目、涙、筋腱なども分類

- 血液循環と拍動をコントロールする役割
- 脳(大脳皮質・高次中枢)や精神活動をコントロールする役割
- 心臓や小腸だけでなく、顔面や舌、汗、脈なども分類

- 消化吸収をコントロールする役割
- 血液が漏れ出ないように統率する(統血)役割
- 脾臓や胃だけでなく、筋肉や四肢、口、唇、涎なども分類

- 呼吸をコントロールする役割
- 水分循環をコントロールする役割
- 防衛機能をコントロールする役割
- 肺臓や大腸だけでなく、皮膚や体毛、鼻、のど、気管支、音声なども分類

- 生命力を貯蔵する役割
- 生殖や成長発育、老化をコントロールする役割
- 水分代謝を調節する役割
- 腎臓や膀胱だけでなく、脳や骨、骨髄、耳、泌尿生殖器、肛門、毛髪、唾なども分類

気・血・水(津液)
「陰陽五行説」について簡単に説明しましたが漢方医学の理論では、この「陰陽五行説」と対になる理論として「気・血・水(津液)」があります。
『鍼治療ってなに?』の部分で少し触れていますが、「気・血・水(津液)」は、身体を構成するとても重要な要素となっています。
この3つの要素がそれぞれに密接に係わり合い、そのうちひとつでもバランスを崩すと他にも影響を与え、様々な症状を引き起こす原因となると考えられています。
この3要素を少し解説いたします。
気=エネルギー
身体を動かす根本的なエネルギー
(※元気が不足している状態を「気虚(キキョ)」、ストレスなどによる悪影響をうけている状態を「気滞(キタイ)」といいます。)
- ①ものを動かす・・・血液循環や新陳代謝を促し、心身を機能させる
- ②身体を温める・・・機能を活発にして体温を正常に保つ
- ③免疫(バリア)機能・・・体表面を守り、ウィルスや寒さなどの侵入を防ぐ
- ④ものを変化させる・・・身体に取り入れたものを栄養物や老廃物に変えて調整する
- ⑤定めておく・・・体液が漏れ出る、内蔵が下垂するのを防ぐ
血=血液と血液循環
全身に栄養を循環供給し潤す
(※栄養が足りていない状態を「血虚(ケッキョ)」、血の巡りが滞っている状態を「瘀血(オケツ)」といいます。)
- ①血液の量が豊か
- ②血液の質がきれい
- ③血液の循環が良い
この3つが基本となり「量・質・流れ」のいずれかにトラブルが生じると栄養分が身体のすみずみまで巡らず、身体のバランスが崩れてしまいます。
また、「血」は精神活動の原動力でもあり、人間の思考を支えます。特に女性は月経・妊娠・出産といった身体の変化があり、「女性の健康は血液の健康」といわれるほど「血」と深い関わりを持っています。
水(津液)=体液(血液以外の水)
身体の潤いをコントロール
(※潤いが足りていない状態を「陰虚(インキョ)」、水の循環が滞っている状態を「水滞(スイタイ)」といいます。)
人間の身体の約2/3は水分です。そのうち血液以外のもの、胃液や腸液、汗、涙、唾液などを総称して東洋医学では「水」(または「津液」)と呼びます。
この「水」の働きがうまくいかないと肌が乾燥してカサカサになったり、余分な水分が尿や汗として排泄されずに体内に老廃物として残り、むくみなどの原因になります。
素因
素因は、東洋医学的な発病の病因(原因)を分類する考え方です。
東洋医学で病因とは、疾病をひき起こす原因のことをさします。人体に疾病を発生させる原因は、内因、外因、そのどちらでもないもの、の三つに分けられるとしています。
内因
体質的素因と精神的素因とに分けられ、体質的素因は更に先天的体質(遺伝・胎児期の種々の障害)と後天的体質(成長・発育・老化などの過程にあらわれた異常)とに分けられます。また、精神的素因は、精神的・情緒的変動(七情:怒・喜・思・憂・悲・恐・驚)が、あるレベルを超えた場合に、疾病の発生につながるとしています。
外因
自然素因と生活素因とに分けられ、自然素因とは、気候変化を六つに分け六気(風・寒・暑・湿・燥・火)、これが、人体に障害を与えるようになると六淫(風邪・寒邪・暑邪・湿邪・燥邪・火邪)としています。また、生活素因は、暴飲暴食、過労、過度の情欲などが疾病の発生につながるとしています。
そのどちらでもないもの
生活素因や気・血・水が停滞することによって生じる不調や疾病の病因
素因は、患者さんの体質や特性などの個々の症状に合わせて治療方法を導き出す「素」になる考え方です。そして「陰陽五行説」、「気血水」、「素因」が密に絡み合い、人それぞれの病に合わせた治療を行う理論となります。